2019年2月19日火曜日

十通目 2019年2月19日

Pさんへ

 こんばんは。2週間ぶりの返信です。このゆったりとした間隔も、これはこれでいいものですね。前回のPさんからの書簡、ロシアとフランスとの関係が、僕としてはとても興味深い話でした(岐阜とロシアの話もよかった。)去年のロシアW杯でのフランス優勝も、どこか必然的だったのでしょうか。
 さて、僕は昨日、地元のT市から名古屋へ行ってきました。目当ては今池の映画館でしたが、そのまえに本山の古書店・シマウマ書房に寄りました。今月の24日に一旦閉店するとツイッターで知ったので、店主の鈴木創さんにそのことを訊いてみたら、14年間ここで営業なされて、今年の4月か5月にまた名古屋市内で営業を再開するそうです。僕の地元では、2013年に街の本屋さんの書苑イケダが閉店しました。その店主・池田仁さんは非常に有能な方で、僕はこの本屋に足かけ10年以上に亘って、大変お世話になりました。僕が2004年にメルキド出版の立ち上げができたのも書苑イケダのお陰です。僕はイケダの閉店の2月17日にお金を卸すのを失念したために、3冊の文庫本しか購入できませんでした。哀しい別れの意味を込めたわけではありませんが、『失脚/巫女の死』『ダブリンの人びと』『死霊Ⅱ』を買い求めたことを覚えています。ちなみに、それから1年後の2014年2月21日、僕は東京の丸の内で、阿部和重と初めて会い、サインと握手をしてもらいました。そしてさらに5年後の2019年2月18日、僕は移転間際のシマウマ書房で14冊の古本を購入したのです。以下がそのリストです。

『書簡文学論』小島信夫
『小説の方法』大江健三郎
『現代文学で遊ぶ本』別冊宝島編集部・編
『愛その他の悪霊について』ガルシア=マルケス
『小説の精神』ミラン・クンデラ
『地下街の人びと』ジャック・ケラワック
『燕のいる風景』柴田翔
『天使の惑星』横田順彌
『聖耳』古井由吉
『夏目漱石論』蓮實重彦
『野草』魯迅
『ユリイカ 吉岡実』1973
『ユリイカ ソレルス』1995
『文學界』2016・7
 
 店主が百円値引いてくれました。その後、今池まで地下鉄で移動して、ココイチで昼食をとり、正文館で文庫を見たあと、映画を観る意欲を失い、そのまま帰宅しました。
 いま話題の山本浩貴「Puffer Train」は、群像の結果が出たあとに時間をとって読みたいと思っています。
 今回は即物的な書簡になってしまったので、次回はしっかりと思考したいです。

松原

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